吉村弘

環境音楽デザインや現代美術の分野で多大な功績を遺した作曲家、吉村弘さん。

いつも笑顔で、なぜかいつも吉村さんのことを考えると、私はヴィム・ヴェンダースの映画「ベルリン・天使の詩」を思い出すのです。
天使のような方でした。

都市生活者でありながら、自然がとても好きで、道ばたに咲く花を愛でたり、ふとした風の音に、静かに耳を傾けたりしていらっしゃいました。

お気に入りのCDを見付けると、よく聴かせていただきましたが、その時のうれしそうな笑顔が、今でも目に浮かびます。ふんわりと優しい吉村さん。2003年、逝去された後でも、どこかにいらっしゃるような気がしています。

神奈川県立近代美術館へ友人と行った時のこと。ちょうど帰り際に吉村さんの音楽が流れてきました。友人と一緒に、「吉村さんが、来てくれてありがとうって、言っているみたいだね」と話しました。
吉村さんのCDを改めて聴かせていただいて、吉村さんは、この音の中に生きている・・・と感じたのでした。

都市にそよぐ、優しい風のように。

ミンファプランでは、環境音楽作家の吉村弘さんのCDを販売しています。

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01242128_4d3d708bed2bcFOUR POST  CARDS 吉村弘

主に環境音楽デザインや現代美術の分野で多大な功績を遺した作曲家、吉村弘。2003年、彼のラスト・アルバムとなった本作は、葉山と鎌倉にある神奈川県立現代美術館のために作られた音楽集です。葉山、鎌倉それぞれの「開館」「「閉館」のための4曲に、波や人の声などを織り交ぜた「スペシャル・ヴァージョン」2曲を収録。その音色はさり気なくアート・スペースに溶け込んでいきます。海を見渡す丘を吹く風。ゆっくりと夕陽に染まってゆく時。やさしく穏やかなアンビエント・サウンドが、美術館から見える様々な情景を描いています。

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MUSIC FOR NINE POST CARDS   吉村弘

目に見えない音の風景を紡ぎ出す五線譜。
雲や、樹々や、雪や、雨粒や、ひとり言・・・。
9枚のポストカードに記された音の断片が、一枚のアルバムになりました。
空気に溶け、広がる、静かな音の風景。
優しい作家の心が感じられる、穏やかで広い空のような作品です。

 

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SOFT WAVE オルゴールの音楽   吉村弘

かわいらしい童話の世界に迷いこんだような、トイピアノの音色が響きます。このアルバムに収録されているのは、厚紙にパンチ道具で穴を開け、ロール状にしたものをトイピアノに設置してスイッチを入れると奏でる音色。環境音楽作家の吉村弘が、1973年に、このトイピアノの音色で構築した優しいサウンド・コレクションです

 

 

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吉村弘のプロフィール

1940年に横浜で生まれ、2003年に惜しまれつつ逝去。早稲田大学文学部卒業後、作曲を独習しつつ、ヴィジュアル・ポエトリー、グラフィックス・デザイン、サウンド・サインを含む環境音楽など、ジャンルを軽やかに横断する才能を発揮する。自身の創案による音具、
みずからの身体をもちいた即興的なパフォーマンスでも独自の境地を切り拓く。
美術館などでのワークショップにも情熱を注いだ。そこには都市であれ、自然であれ、自分の周囲に存在するささやかな事物の変化に敏感に感応し、それとの対話を楽しみ、その楽しみからなにかを発見する、みずみずしく自由な感覚がいつでも息づいていた。
また、すぐれたエッセイストでもあり、『静けさの本』(春秋社、2003年)は、生涯最後の著作あり、吉村弘が夢想しつづけた「総合芸術作品」となった。